Juzám Djinn

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Card of the Day -今日の1枚- 2014/01/15

Juzám Djinn

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「ジュザムジン」という響きは一度聴くと忘れられない(「ジャザム」と呼ぶこともあるが筆者としては「ジュザム」を推したい)。

 

マジックが題材なのに、何故かドッジボールのコートのような陣地で戦うアクションゲームになったゲームがあった。

 

その作中でこのパワフルなクリーチャーを呼ぶ時の「ジュザァムジンッ」というセリフが筆者には忘れられない。というわけで今日は最初期の黒の顔でもあった《Juzám Djinn》。

 

《Juzám Djinn》は「アラビアンナイト」発売当初は見向きもされなかったらしい。

 

「あなたのアップキープの開始時に、Juzam Djinnはあなたに1点のダメージを与える。」というデメリット能力しか持っていないこのジン。

 

「え、自分にダメージを与えるのか。使えね~」という反応を示したプレイヤーが多かったのだ。

 

これは現在でもマジックを始めたばかりのプレイヤーが自分にダメージを与えるカードを嫌うことと同じことである。当時はマジックプレイヤー全員がまだ「マジック初心者」だったのだから。

 

後に、各種Moxと《Black Lotus》や《暗黒の儀式》を活用して1ターン目にこのファッティを場に出す戦術が発見される。

 

早いターンで場に出てしまえば、自分が1点のダメージを受ける間にがら空きの対戦相手に5点のパンチを叩き込むことが出来る。1:5の交換ならば悪くない。これを連打など出来ればもう勝ったも同然ということが判明すると、その評価はうなぎ上りとなる。

 

後に多く使われることとなる自分がダメージを受ける(ライフを失う)強力カードの系譜...各種ダメージランドにフェッチランド、《苦花》《思考囲い》といった面々が生まれるに至ったのは、マジックプレイヤーが「多少のライフの損失は強い効果の代価として妥当である」ということを認識しているからである。

 

ライフの損失がただのデメリットでしかないと認知され続けていたら、今日のマジックのカードは全く違う姿となっているだろう。

 

これらのカードが生まれた裏には、ジュザムさんが1点の損失を恐れることなかれという教えを広めたからに他ならない。

 

「Juzám」とはアラビア語で「邪悪」という意味だそうだ。

 

邪悪ではあるが、正しいことも世の中にはあるってことだな。ちなみにコストは黒2マナじゃないよ!


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